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*

翌朝、つくしは足取りも軽くいつもの時間に店へと向かう。
突然類が臨時のバイトに押し掛けてきたのは、まだ昨日の事...
始めこそ、どうなることかと心配したが...まだ慣れぬとはいえ、意外にも懸命に仕事に取り組んでくれた類に、つくしは少しホッとしていた。


─花沢さんって、今までどこか掴み所が無い人って思ってたけど、案外いい人なのかも...//

類の真面目な態度に加えて、この店で自分より『後輩』が出来るというのも、実は初めての経験。

─さて、今日は何を教えようかな...//

気持ちが少し落ち着けば、今度は持ち前のお節介が顔を出し...今日は少しばかり浮かれて、店の扉の鍵をカチャリと回す。

すると

「...あれ? もう開いてる… 宮内さん早いな…」


ところが、


「おはようございま~...えっ!!」

「あ、まきの... おはよ♪」

フロアの真ん中にニコリと一人佇む類...
そしてなぜかその手には、似合わぬモップを握っている。


「あの//…まだ花沢さんが来るには早いですよね//??...何やってるの//?」

「何って、掃除?...宮内さんに聞いたらさ、新人の仕事の第一歩は掃除からって言うから…」

ところが、そう言う類のモップ捌きはなんともぎこちなく...


「あの...ちなみに聞くけど、お掃除をやったことは?」

「...無いけど、これで拭けば良いんだよね?」

キョトンと首を傾げる類に、つくしは思わず噴き出した。

─そっか...掃除なんて、きっとしたこと無いよね//…

今までF3とのデートを経験したことで、彼らのセレブな暮らしぶりにはあらかた見当がついている。


「よしっ、じゃ、今日は掃除から教えますかっ//」

荷物を置き、腕捲りしながら張り切れば、類はニコリと

「あい、お願いします♪」

その笑顔に、なんだかとても癒されて...
そのままつくし指導の元、類と二人で開店準備に取り掛かることに...




「えっとね、花沢さん...床掃除の始めは、箒とちりとりでゴミを取ってからなんです!」

「...モップは?」

「まだです//! 先ずはゴミをあらかた取ってから、そのあとに洗剤液に浸して固く絞ったモップを使うの…そうすると、床がピカピカになるでしょう?で、それが終わったら、また別のモップで乾拭きして、それでようやく床掃除は終了です//♪」

一生懸命嬉しそうに説明するつくしの言葉に、類は目を丸くする。

「大変...それ、毎日あんた一人でやってるの?」

「いえ、いつもは宮内さんが来てくれて一緒にお掃除しますよ? 他にもトイレ掃除とか、テーブルセッティングに、食材の買い出しや仕込み...
まだまだ開店前にやることはたくさんありますからっ//」

キラキラとしたつくしの得意気な笑顔に、類は眩しそうに目を細めて

「...そっか...」

改めて、このフロアをザッと見渡した。

それは、類が客として今まで何度も足を運んだ空間であり...

だが
『どうしてこんなに居心地が良いのか』───
類は今、改めてその本当の理由が、わかった気がした。


「...やっぱり、あんたって凄い」
「へっ??」

ぼそりと呟かれた類の言葉に、今度はつくしが首を傾ければ

「昨日も思ったけど...開店してから牧野、ずっと笑顔で接客してさ...いろんな料理をひっきりなしに作って、それを沢山のお客に出して...」

「だって///、それは仕事だから//」

思いもかけない類からの称賛の言葉に、つくしは慌てて否定するものの、

「でもさ...仕事だからって、誰もが皆、あんなに楽しそうに出来る訳じゃない...
それってちょっと、羨ましいかも」

ふと伏し目がちになる類は、少しだけ寂しそうな顔をしている。

─花沢さん...//??

誰もが羨む大企業のジュニアが、こんな自分の仕事を『羨ましい』と言う...
だがそれは、決して嘘をついているようには見えなくて...

気になり理由を訊ねようとしたが、類はふと、また顔を上げて

「でもこの店はさ...あんたがいろんな面倒臭い事まで、全部一生懸命楽しそうにやってるから...
だからきっと、客がみんな、笑顔になるんだよ」

「////...」

そこにはもう、先程の憂いは無く...
今度はキラキラとした笑顔をつくしへと向ける。


─うわ// なんかキュンとしちゃった///
...ちょっと、嬉しいかも…//


「…だから俺も、もうちょっと”使える”ようにならないとね」

「///?」

「だって昨日は...俺、何にも出来なかったし...」

急にシュンとしてしまった類に、つくしは慌てて


「あのっ//!そんな事ないですよ//!?...初めては誰だってあんな感じですって//!それに、私がこれから花沢さんに、いろいろ教えますからっ//!!」

落ち込んだ類を励ましたくて、つくしは思わず類の手をギュッと握り締めた。と、類は無言でその手をジッと見つめ...

「...あっ///! ご、ごめんなさい//!!つい//...」

慌てて離そうとすれば、

「待って」「へっ///」

今度は逆に類の大きな掌が、つくしの手をすっぽりと包み込む...



「あ、あの///...」

しかし類は、そのまま握った手をジッと見つめて...つられたつくしも手元に目をやれば


─うわ///…なんて綺麗な手///...

それは、大きな男性の手だというのに、自分とは違いすべすべとしてきめ細かい肌。


だが、類が先に呟いた。


「あんたの手... 綺麗...」

「えっ///? あ、あたしっ///…??」

そう言われても、どうみても類とは違い、かさかさとささくれもあるつくしの手。


─嘘ばっかり//! こんな荒れてる手なのに…///



「働き者の手、って感じ」

「////か、からかってます///??」

「なんで?...俺も、牧野みたいな手になりたい」

つくしの小さな手をふわりと包み込み、類は優しく微笑む。


その嘘のない笑顔と、彼の真っ直ぐな賛辞の言葉が、つくしの胸にじんわりと染み渡る...


─なんか// …この人って////...

彼から発せられる穏やかな空気は、なんだかとても心地好くて...つくしは自分の中から、不思議な力が沸き上がるような気がした。


「わかりました///! じゃ、先ずは掃除から、取り敢えずやってみましょうか///!」

「あい♪」

こうして少しずつ、二人の距離は縮まっていく...



*


今までつくしが当たり前にこなしてきた作業でも、御坊っちゃん育ちの類には慣れないことばかり...しかし教えれば、意外にも何事も器用にこなし、男手があることで、掃除はいつもより早く済んだ。
時間に余裕が出来たことで、つくしの気持ちにも余裕が生まれる。更に嬉しいことには、類は余計なお喋りを一切せず、それでいていつもどこか、楽しそうに仕事に取り組む彼の姿勢だった。

次につくしは類を厨房に連れていき、料理を盛り付ける食器の種類や、その収納場所の説明に取り掛かる。



「…で、ここが小鉢でここが大皿…、あとは...」

「いい、だいたいわかった」

「えっ!ほ、ホントに//??」
「あい♪」

説明には終始真面目に耳を傾けていた類だったが...メモひとつ取らない態度に、つくしとしては本当に類が覚えているのか半信半疑...

しかし、昨日とは違いあまりにも余裕な態度に

「…じゃあ、テストしてみてもいいですか//?」

少しばかり先輩ぶって、ニヤリと微笑むと


「いいよ?...あ、でも...
もし俺が全問正解したらさ...ひとつだけお願い、聞いてくれる?」

突然振られた類からの提案に、つくしはドキリと身構えた。


─そうだった///…これって『週末デート』の代わりも、兼ねてたんだっけ...///

黙々と働いてくれる類に、いつの間にか心を許していた自分の迂闊さに気付きながらも、小首を傾けいつものポーズで訊ねられれば、つくしにはもう拒否権などある筈も無く...

「...わかった//! でも、アレだよ//?だからってその、すぐ花沢さんと付き合う///とかは...//」

そんな精一杯の牽制の言葉さえ

「わかってる。そんな簡単な賭けであんたの心を無理矢理手に入れたって、仕方無いし... ね?」

─...っ////!!

意外にも男らしい言葉と、ニコリと向けられた天使のような微笑みとのギャップに、つくしはただ顔を赤らめるしかなく...


そして、その数分後────


なんと類は、宣言通りに見事全ての食器の用途と場所を言い当てて、つくしは更に慌てる羽目に陥った。


「嘘っ///!...花沢さん手品師みたい//!! なんで//??」
「クスッ、昔から記憶力だけは、良い方だったから」

サラリと言ってのける類に、つくしは唖然とするばかり。


─記憶力って//...そんな、あたしだって全部覚えるまでは、まる2日はかかったのよ...//


だが、

「じゃ、約束だから”お願い”…聞いてくれる?」

突然、ビー玉の瞳が妖しく光り...
つくしはドギマギしながらも、


「わかりました//!女に二言は無いって事で//...」

胸の高鳴りを必死で押さえて、覚悟を決めてじっと類の宣告を待つつくし。


だが、そんなつくしの杞憂を知ってか知らずか



「...呼び名」

「...へっ///?」

「『花沢さん』って、嫌なんだよね... あと、敬語も...」

「//? でも、花沢さんは花沢さんでしょ//...」

しかし類は、整った形の眉を僅かにひそめて

「一緒に働く仕事仲間なのに、堅苦しい...
それに俺達、年も近いだろうし…牧野の方が”先輩”じゃん?」

いくつだっけ?と聞かれ「24」だと答えれば、なんと類とは一学年しか変わらぬ年齢だった。

だとしても...それで一体、何を『お願い』されるのかと、まだ身構えているつくしに


「だからさ...
今日から俺のこと、名前で呼んでよ」

ニコリと向けられた麗しい微笑みに、つくしは思わず絶句した。

「えと///…な、名前って、言いますと///...」
「あれ? あんた知ってるんだよね、俺の名前♪」

にこにこと天使の微笑みを向けながら、類はつくしが刺繍したエプロンのイニシャルをチョンと指差す。


─ギクッ//…

「そ、そりゃ、知ってますけど///...」
「ん♪…じゃ、呼んでみて?」
「ええっ///!!...い、今ですか///?」
「あい♪」

─もうっ///!...またこの顔//…

元々がまるで絵本から抜け出た王子様の風貌なのに、更に今日はいつもより、格段"甘い微笑み"が多い気もして...


─どうしよう///...
こんなんで今日一日、あたし、持つのかしら///…



「持つ、って…何が?」

「ハッ///!! い、いえっ///!何でもありませんっ///」

慌てるつくしをさも楽しそうに...
類はニコニコと見つめている。



「ねっ、は~やく♪」


─うっ///…

「じゃ///、行きますよっ///…る、る、る、るっ////...るいさんっ////!!」

何故だか妙に気恥ずかしく、つくしは目を瞑り思いきって口に出してみる...


と、

「...ブッ//!クククッ//…何それっ//…腹いてぇっ///」

急にケラケラとお腹を抱えて笑い転げる類に...
今度はつくしが抗議の声をあげた。

「あ、あのねぇっ///!? 貴方が呼べって言ったから//呼んだんですよっ///!!」

「ん//、そうだよね//ごめん...そう呼んで?」

そう言いながらクスクス笑う王子のような微笑みは、やはりどうしても憎めずに...


「あ、つくし怒った??」
「…なっ////!!」

突然名前を呼ばれた事で顔中の熱が一気に集まり...そんなつくしを、小首を傾げて嬉しそうに覗き込む類...


「ふ、不意打ちは反則ですっ//!」

「反則??」

再びキョトンと無垢な表情を見せる類に、つくしはまたキュンとしながらも

─もう///…駄目だっ///
この人って、やっぱりちょっと、天然なんだわっ////

ドキドキと高鳴る鼓動に無理矢理蓋をして...

つくしはせかせかとまた開店準備に取りかかり、類はそんなつくしを微笑ましく見つめていた。




*


─さて、気を取り直して///…

気持ちがふわふわと落ち着かない時は、自分の原点にもどればよいのだと...つくしはきりりとエプロンを締め直し、再び類に向き合う。


「ではこれから、人参シリシリを作りますね//?」

「シリシリ...?」

「あ、沖縄の料理なんだけど...簡単で冷めても美味しいから、今日の副菜にしようと思って///...」

「シリシリって... なんか可愛い」

─フフッ//、可愛いのは、一体どっちよ///…

にこにこと微笑む類に、思わずつられて微笑みつつ、先ずはお手本を見せる。


「始めにこの人参を、こうして...」

つくしはチーズグレーダーを片手に、ボールの上で人参をひたすら削ってゆく...と、細く細かなたくさんの人参がボールの中に落ちていき...

それをジッと見ていた類が

「...それなら出来そう」

「フフッ///でしょ?...はい、じゃあこれは花っ...じゃなくて...///」

恐る恐るそっと上目遣いに見上げれば、類はニコニコと期待の目でこちらを見つめている。

─ええいっ///!何事も慣れちゃえばいいわよね///...



「る、類に///任せるねっ////」

ドキドキしながら、思いきってその名を口にすれば

「あい//♪」

類はこれ以上ないくらいの天使の微笑みを、つくしへと向けた。


*

人参は一先ずマイペースな類に任せて、他の料理に取り掛かるつくし。だが、時折どうしても視界に入りこむ美しい王子の存在を、作業しながチラリと盗み見れば...


─クスッ///…楽しそう///…

類はまるで新しいおもちゃを手にした子どものように、キラキラとした瞳で夢中で人参を削っている。

─あたしが『楽しそうに仕事する』って言ってたけど…
あなたの方が、よっぽど楽しそうだよ///…


客として来ていた時は、とても落ち着いた大人の男性だと思っていたのに...


─…なんか、可愛いかも///...

今日の類は、まるで子どものように無邪気で...
それもまたつくしには新鮮で、ついつい頬が緩んでしまうのだ。


やがて、

「...出来た// 次、何すればいい?」

その嬉しそうな表情に思わずキュンとしてしまい、慌てて

「えと///!!...あっ、そしたらその人参をオリーブオイルで炒めます//! それから///...」

そのまま人参を炒め、しんなりしたところに塩コショウで軽く味付けすると


「あの、冷蔵庫から粉チーズ取ってくれる//??」

「...ん。わかった//」

類は類でつくしの手元に思わず見惚れていたのだが、言われて慌てて冷蔵庫へチーズを取りに行く。

「...これ?」

「そう//!ありがとう//」

決してお喋りが上手いわけではないのに、彼特有のほんわりとした空気感は、いつの間にかつくしにとって心地好く...


「へぇ~、そこに入れちゃうんだ」

「そうだよ♪ …で、ここですぐに火を止めて、っと...//」

手際よくフライパンの中身を混ぜ合わせると、類が用意した小鉢に出来た料理を盛り付け、最後に刻んだパセリをふりかけた。

「はいっ//これで完成//!」

「これが、人参シリシリ...??」

「うん。でもそれの洋風版ってとこかな?本当はお出汁を入れるんだけどね...って、せっかくだから食べてみる//? 簡単だけど、美味しいんだからっ//♪」

出来映えに得意気なつくしだったが、どうしたことか、類は急に表情を曇らせ...

「いい... 遠慮しとく...」
「ええっ!何で??」

「人参、キライ...」
「ハアッ///!?!?」

せっかくの料理にあからさまに眉をひそめられれば...つくしとしては、強引にでも食べさせたい思いが強くなる。

「あのねぇ//? お客さんに『どんな味か?』って聞かれたら、それじゃ答えられないじゃない!
それに、せっかく自分で削ったんだよ//??絶対美味しいから//!! 体にも良いんだしっ//...」

「...でも、人参...」


─もうっ!こんなとこまでお子ちゃまなのね///…


「類っ、ねぇ一口で良いから///!」

いつの間にか自然にそう呼んでいる事にも気付かずに...つくしは箸で人参を摘まむと、躊躇なく類の口の前へ運んだ。


「ほら、一口だけでも食べて//??
絶対美味しいよっ//!?」

こうなればもう意地の張り合い...
食べさせようと必死なつくしに、類は少し驚きながらも


─もしかしてこれって...
「あーん」ってやつじゃない//??


「...わかった//」

そっと控えめに美しい口を開けば、つくしは迷わずそこに箸先を差し入れた。


─ぱくっ

その途端、二人の視線が至近距離でぶつかり合って...


─あ、あれっ//?
…もしかして私///、今物凄く、恥ずかしい事してるんじゃ///…

気付いた途端、箸先に触れる類の唇の柔らかな感覚に...

つくしは慌てて箸を引っ込めた。


「お////美味しいでしょ///??」

自分のとんでもない行為に、類が一体どう思ったのかもわからず...
視線をくるりと反らし、そう訊ねるのが精一杯だったが...


「あ...おいし」

「///! ホントに///!?」

その言葉が嬉しくて、思わず振り向けば

「ん。つくしが食べさせてくれたから、余計に...//♪」

「...バカっ////!!」
「イテッ///!」



やがて
クククッとどちらからともなく漏れ出る笑い声...

そんな二人の様子を...
いつの間にか後から来ていた宮内が、背後からそっと見守っていた。

と、不意に笑いを止めた類が

「あ、宮内さん? おはようございます」

「...あぁ、おはようございます」

宮内は、すぐに自分の気配に気付いた類に僅かにおののきながら、平静を装い挨拶を返した。

「えっ///!あぁ、宮内さんっ///!嫌だ、私気づかなくて///...」

つくしも慌てて宮内を気遣う言葉をかけるが



─どうやらこの花沢の坊っちゃん...只者では無さそうだな...


「...宮内さん、何か?」

一見微笑んでいるようで...
自分にだけ向けられる鋭い視線を、宮内は軽く交わしながら

「いえ。そうだ牧野さん...そろそろ食材を買い出しに行く時間ですが、どうなさいますか?」

負けじと穏やかな微笑みで類を見やれば、つくしもそっと隣の類を仰ぎ見て...

「類...一緒に行く//?」
「...あい。荷物は俺が持つよ♪」

先程までとはまるで別人のような天使の微笑みに、宮内は苦笑しながら

「では、私は残って準備を進めますから...お二人でお願いしますね」

「わ、わかりました////」
「♪」

そうして二人、仲良く出かける後ろ姿を、宮内はやれやれと微笑ましく見送った。


*


─キィー...パタン

いつものように『準備中』の札を確認すると、

「じゃ///、い、行こっか//?」
「ん...」

類と二人並んで歩く街並みは、心なしかいつもより優しく見える気がして

ーこれも...デートに入るのかな///...

つくしはどこかふわふわとした気持ちで、隣の類を意識していた。

だが、類はといえば...


─へぇ...
右に一人、後方に二人...って、どれだけボディーガードつけてる訳?

で、彼女の方は...


「///な、何///??」

「...ううん、可愛いって、思っただけ♪」

「/////!!もうっ//、類ってばまたそんな事言って////!!」

慌てたつくしは、類の前を小走りでかけてゆく。


─やっぱり全然気付いてない、か...

でも一体...彼女、何者なんだ...?


見つめれば素直にわかりやすいほど顔を赤らめるつくしを、やはり愛しいと思いながら...

一方で、先程の宮内に感じた只為らぬ気配と、外に出た途端に感じる別の気配に...類は周囲を冷静に観察していた。


と、

前方から1台の不審な黒いバイクが、ゆっくりと近付いてきて...

そのままふらりと、つくしの方へ


─!!!

「あぶねっ!!」
「キャア//!!!」

類は咄嗟につくしの腕を引き寄せ、自分の身体で受け止める。


「な、何っ///今の///...」
「つくし大丈夫!? 怪我はない///!?」

間近で覗き込まれた必死なビー玉の瞳は思いの外真剣で、自分の無事を心から心配している。



「う、うん//、なんとも無いよ///...」

「そう… 良かった///…」

護るように、身体はきつく抱き締められたまま...つくしの心臓はドキドキと早鐘を打った。


ーそんなに///…心配してくれたんだ///…

類の爽やかなフレグランスに包まれ、つくしが鳴り止まぬ鼓動と必死で戦っている間...


一方
類は鋭い視線で逃げたバイクを追っていた。


─なんだよあれ…
まさか、彼女を狙って//!?...

だが、このままつくしを放って追いかける訳にも行かず...
それにしても、この一大事に一体何をしていたのかと──類にジロリと睨まれたボディーガード達が慌てて柱の陰に隠れたのすら、つくしは何も知らなかった。


「ねぇ... やっぱり危ないからさ。手、繋がない?」

わざと小首を傾げてつくしを見れば、つくしは戸惑い、目を泳がせるだけ...


「つくしは、嫌?」
「えっ///!...あの//イヤって言うか///...」

予想通りみるみる頬を染めるつくしに、類はクスリと笑いながら

「じゃ、良いよね?」
「あっ///…」

サラリと言い退けて手を取る類には、もう逆らう事も出来ずに...

キラキラと...
太陽の光を反射するビー玉の瞳の美しさに、つくしはただ、ぽおっと見惚れていた。













↓オマケ↓がありますのでこちらもどうぞ

Comments - 10

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スリーシスターズ  

おはようございます。

類くん一歩リードどころか、はるか彼方までリード!
つくしちゃんは日常の些細なことを一緒に楽しむ事の方が好きですよね。
類くんその事にいち早く気づいたのかな!?

次に4人でつくしちゃんに会いに行ったときに2人だけ「類」「つくし」って呼びあってたら他の3人はびっくりですよね。
つくしちゃんは類くんを選んだのか~!ってなっちゃいそうです!

つくしちゃん誰かに狙われていましたね!
お話が急展開していくのでしょうか!?
気になります~!

凪子さんのお話、類くんへの愛がたくさん詰まって思わずフラっと浮気しそうになっちゃいました! 



2017/10/17 (Tue) 08:18 | EDIT | REPLY |   
凪子  
スリーシスターズ様🎵

こんにちは🎵
コメントありがとうございますm(__)m

いやん。嬉しすぎです🎵(*´ω`*)
はい。愛が強すぎて、文字子(長文)になってしまいましたが(汗)

でも、司くん大好きなスリーさんにそこまで言っていただけるとは❤
凪子、感無量でございますm(__)m🎵

ですが、まだ本編は21人中の7話目(^^;
まだまだあきらも総二郎も、勿論司も頑張りますから!!
そして何やら怪しい雰囲気もチラホラと...??

最後まで二転三転(??)
作家の皆様の素敵な物語の展開を、どうぞ最後までお楽しみ下さいね!!

どうもありがとうございました🎵

2017/10/17 (Tue) 13:51 | EDIT | REPLY |   
kachi  

凪子さま
こんばんは!
お話の更新ありがとうございます😊

類くんの健気なバイト姿は好感度抜群ですね♪

キスの総ちゃんがリードしてるかと思ったらあっと言う間に類くんは名前呼びに手まで繋いじゃって、しかも、すべて自然過ぎます!
あきらくんでも総ちゃんでもその辺りスマートそうだけど、どれも司だったらドタバタしちゃうんでしょうねぇ(遠い目)ファイト!司!

つくしの類呼びは全然良いけど、類くんの「まーきの♪」がツボな私としてはつくし呼びになっちゃったのはかなり残念………
そこ?(笑)

それにしても!
何でつくしは狙われているのかしら?
謎解きも楽しみにしてまーす♪

2017/10/17 (Tue) 19:42 | EDIT | REPLY |   
凪子  
kachi様🎵

こんばんは🎵
コメントありがとうございます😊

あははっ🎵
kachiさんありがとですー!!
「まーきのっ」は、確かに類の萌えポイントなので❤(笑)
でも司大好きなkachiさんから言ってもらえるとは思わなかったので、とっても嬉しいです!!(*´ω`*)

うふ。類はつくしの心に寄り添うタイプかなと思うので♪天然なのか策士なのか??(笑)それでも、やはりみんなとは違うアプローチの仕方になりました(^^;

愛が強すぎて文字子(長文)になってしまったので、読んで頂けただけで、もう感謝です♪(*´ω`*)

ですが本編、21話中のまだ7話!!
この先まだまだ、あきらも総ちゃんも、勿論司くんも頑張りますから🎵
作家の皆様の素敵な展開に、どうぞご期待下さいませ❤

狙われてるのも、重要ポイントです🎵
うふ。

どうもありがとうございました🎵

2017/10/17 (Tue) 20:12 | EDIT | REPLY |   
ノエノエ  

凪子様

こんにちは。
もう!もう!!ニヤニヤが止まりません~~~~~~~~~~(≧∇≦)♥️
自分を知ってもらう為、つくしちゃんのそばに長くいる為、つくしちゃんを助けるため…そして何気にただデートする他のメンバーより長時間(というより毎日(笑))いられる方法をとった策士類くん!とうとう名前呼びまで!さすがです!!
家事も何も分からず「助けてあげたい」と気持ちにさせ、記憶力が抜群にいいところ、一生懸命なところ、可愛いところ、男らしいところを見せつけられてつくしちゃんの類くんに対する印象はうなぎ登りですね(*^_^*)

問題のバイクはつくしちゃんを狙っていたのか何なのか…。ドキドキだけでなく、ハラハラも!?

続きも楽しみにしています(*^^*)

2017/10/20 (Fri) 14:18 | EDIT | REPLY |   
凪子♪  
ノエさん🎵

早速のご訪問&コメント🎵
どうもありがとうございます!

そして、待ってた❤笑笑

うふふ🎵
長くなっても類ファンならお読み頂けるかと思って、気づけば文字子と呼ばれるまでの長さに(^^;笑笑
先ずは長文(イチャイチャ?笑)お読み頂き、どうもありがとうございます🎵笑

桃さんから非常に類らしい❤デートのスタートを頂き、後に控えている空さんに
「思う存分、いっちゃいな!(イメージ台詞 笑)」と言って頂けたので🎵
類、ここぞとばかりに攻めてみました❤笑
とはいっても、類の良さはやっぱり、つくしちゃんの気持ちに寄り添うことですものね🎵

うふ。ノエさんのニヤニヤをgetできて、とても幸せです❤(*´ω`*)

まだまだお話は様々な展開を見せつつ続きますが、様々な格好良いF3と、そして勿論、類はあの方々がっ❤(/▽\)♪

是非是非、お時間のある時にリフレッシュ気分でお楽しみ下さいね🎵

どうもありがとうございましたm(__)m

2017/10/20 (Fri) 16:25 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

凪子様♡
類の可愛さが溢れまくりのお話、
ありがとうございました。

類の天然の可愛さが、すごく味わえ満足です。
つくしじゃないけど、読んでるワタクシまで
「 ////// 」と何度もなりました。

シリシリを作るために人参を夢中で削る類、可愛いですよね♡
私も今晩シリシリ作るー。

「人参・・・キライ」

ぶっ!(笑)
でも、この言い方・・・母性本能鷲掴みされた~♡
もう世界中の人参私が食べてあげたくなっちゃうわー。

でも、類に「あ~ん♡」も捨てがたし~♡

名前で呼び合うようになった二人♡
類の天然ワールドに、引き込まれていくつくしがとてもよかったです。

あと、おののく宮内も(笑)
続き楽しみにしてます。

2017/10/21 (Sat) 10:42 | EDIT | REPLY |   
凪子  
さとぴょんさん🎵

コメントありがとうございます🎵

やったー🎵🎵
可愛いと言って頂き、ホッとしました!(/▽\)♪

シリシリって響きも、なんか可愛くて、類に言わせたくて❤笑笑

さとぴょんさんとツボを共有出来て、とっても嬉しいです(*´ω`*)❤笑

そして"世界中の人参"に爆笑❗❗
類スキーみんなで食べてあげましょう🎵
挑戦するときは、凪子も助太刀しますm(__)m笑

あーん、も、捨てがたいけど🎵
きっと「ぷいっ」ってされちゃうかしらね(^^;
でもそれも見たいと思ってるあたり、もう病気かもしれません🎵笑笑

そしてそして、もうお読みかもしれませんが…本編はどんどん終幕に向かっております(/▽\)♪

夜更かし&体調にお気をつけて、是非最後までお付き合い下さいませ🎵
みーんながさとぴょんさんのコメ、お待ちしてますから❤(/▽\)♪笑

うふっ。
どうもありがとうございましたm(__)m


2017/10/21 (Sat) 16:47 | EDIT | REPLY |   
haoto  

おはようございます、haotoです。

前回に引き続き類編ですね。
桃伽奈様の類も凪子様の類も前向きでつくしの役に立ちたいという気持ちがひしひしと伝わりました。

こういう庶民的な事やつくしに無理に合わせようとせず、それを自然と楽しむことが出来るのはやはり、類しかいません!!

お話の中のつくしも原作同様、類とは息ピッタリ♥

もう今から二人付き合っちゃえ🎶

2017/10/28 (Sat) 07:54 | EDIT | REPLY |   
凪子♪  
haoto様🎵

コメントありがとうございます🎵

うふ。
そうなんですよね~🎵
ランダムに決まったリレーのあみだ順。
ところがここで類つく書きが3連チャン揃い踏みになっちゃいまして❤笑

桃さんから素敵な類のバトンを受け取り、後ろの空さんより『いいよ!そのままイチャイチャで行っちゃいなっ!(台詞はイメージです 笑)』と背中を押してもらっての真ん中類ターンになりました🎵

そしてやっぱり類は、いつでもつくしちゃんの気持ちを理解し、寄り添えるタイプかなぁ❤と思い、類くんなりに頑張っております(*´ω`*)

でも細かいとこもちゃんと見てるんですよね🎵
天然なのか?はたまた策士なのか??
それが類の魅力でもありますよね(*´ω`*)

そうそう!付き合っちゃえ❤笑笑
嬉しいお言葉、ありがとうございます🎵

リレーのお話は全て出揃いましたが、まだまだコメントも書き込めますので🎵
感想頂けたら、作家一同とっても嬉しいです(*´ω`*)

haoto様もどうか、たくさんのお話、楽しんで下さいね🎵

どうもありがとうございました❗

2017/10/28 (Sat) 14:24 | EDIT | REPLY |   
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