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類×つくしver




ぼんやりとした意識の中、つくしはそっと目を開ければ...
途端に飛び込んでくるのは、手触りの良さそうなブロンドの猫っ毛の髪、その下の長く反り返った睫毛、そしてスッと通った鼻筋に、形の良い薄い唇......

─わ... 綺麗......

思わずホーッと溜め息が出そうになる程の、完璧な造りの美しさに、暫し見惚れた。


─誰... だっけ......//

こんなに近くで、この美しいフォルムを眺められるなんて...でも、自分は以前、何処かでこの顔を見た気がする...

─こんなに綺麗な顔、忘れる訳がないのに...//

思い出せそうで、思い出せない...

そんなモヤモヤとしたもどかしさを抱えながら、それでも瞳は必然的に、目の前の"王子"の寝顔に吸い寄せられる...

─...あれ?...今あたし、 "王子"って...??


その時、目の前の男の瞼が、うっすらと開いた。


「...んん... あれ... ツクシ、居たんだ...」


─うわ///... この人////......

寝起きの彼のハシバミ色の瞳は、まるでビー玉のようにキラキラと光を映して...
加えてそのふんわりと柔らかな微笑みに、つくしの細胞全てが、ドクリと見いられたように総毛立つ。

だが、驚き固まるツクシに...


「あれ?...こっちにおいで... どした??
今日は来てくれないの...?」

自分を見て、まるで拗ねて甘えたようなその口調に、今度こそ間違えなく、自分の体温は急上昇している筈で...


「ほぉら... ツクシ... クスクス、おいでよ...」

─あ、あたしっ///??...
そか///「ツクシ」は、あたしの名前だ...///

ドキドキと口から心臓が飛び出しそうな勢いで、


─「...あのっ///...」

咄嗟にそう口にした、つもりだったのに...



『ニャニャッ...』


─は//??...

自分の口から飛び出たのは"心臓"でなく、あり得ない、人為らざりし声色......
しかし目の前の王子は、特に不審がる様子もなく


「クスッ、今日も可愛いね... お前は」

(ええっ///!)『ミャミャッ///!?』


またしても自分の口から飛び出した可笑しな音に、ツクシは慌てて、今度は両手で口を塞いだ、

...筈だった...... が......


ふにゃりっ

ぷにぷにとした独特の感触が、つくしの口元を押さえる。


─ちょっ、う、嘘///... でしょ...

ツクシは恐る恐る、自分の「両手」を見れば......


『ニャッ! ニャニャニャ~~ッ!?』
(ちょっ///! 肉球~~っ///!?)


そんな...// ば、馬鹿なっっ.........//!?




「プッ//!...もう、何やってんのさ...//」

ツクシの混乱をよそに
まるで舞い降りた天使のように美しく微笑む男の瞳の中に、たくさんの光が映り込む。

だがツクシはある予感を胸に...
恐る恐る、その瞳の奥を覗き込んだ。


と、そこには───


─///!!... 黒、猫だ......///


ビー玉の瞳の奥には、これまた真ん丸で大きな目をした、とても愛らしい黒猫「だけ」が映っていて......


─もしやこれが... 今のあたしなの...//!?

ツクシがそっと目を細めれば、瞳の中の小さな黒猫も、確かに同じように目を細めている...

片手を上げれば、黒猫も同じく「前足」を上げ、
耳を引っ掻けば、黒猫も鏡のように耳を掻く...


─間違いないっ//!!
ど、どうしようっ///... こんな事って///......

しかし、ツクシの思考がパニックに襲われる前に、


『ニャッ!?ニャニャンっ!!』
(えっ!?うそっ///!!)

ツクシはいとも容易く、寝そべる王子の胸元へひょいと抱き上げられる。


「こーらっ...うん?... 今日はホントに、どうしたの…」


─ち、近いっ///!!

突然、美しい男に鼻と鼻とを付き合わされ、バクバクと鼓動が速まる。

『ニャッ、ニャンニャ~』
(えっ///、えっとぉ~///)

「ツクシ...? なんか...今日は面白い鳴き方するね」

─へっ///!...

言うなり目の前の王子はツクシの身体を両手で抱き上げて、鼻先に「チュッ」とひとつ、キスを落とした。

と、そのまま慣れた手つきで...

王子はツクシの眉間や頭、しなる背中を何度も何度も大きな掌で、その繊細な指先で...優しく触り続ける。


やがて

─あ~、ダメ//… 気持ちいい、かも...///

男の文字通りの「愛撫」に、ツクシはうっとりと目を細める。


─あたしが、猫... なら...//
彼は、「飼い主」なのかな...///


大きな掌から伝わるのは、彼の深い愛情...


「良かった... ツクシ、いつも通りだね...」

『...ミャ~オン♪』
(...ふふふっ///)

思わず反応した鳴き声は、既に彼に向けての信頼と甘えすら感じさせるものだった。

彼の愛撫を一身に受けながら、ツクシの中に次第に首をもたげる、小さな悪戯心...


─そっか///...今は猫、だもんね...///

目の前の堪らなく優しい彼に
もっと触れたい、喜んで欲しい...

それが、ペットならではの思考なのか、はたまたツクシの深層心理なのかは、わからない。

けれども...
ツクシにしては珍しく積極的に、目の前の彼の滑らかな頬を、自らペロリと舐めてみる。




「フフッ///... くすぐったっ///...」

再び、まるで天使と見紛うような麗しい男の微笑みに...

ツクシの内なる、何かが弾けた。


ペロリ、ペロリと男の反応を伺いながら、ツクシは次第に夢中になり、男の頬を舐め続ければ


『クククッ///...ちょっ//!アハハっ///止めろってば//...』

楽しそうに笑い転げる男の笑い声に、ツクシは言い様のない愛しさを感じて...

やがて、遂に擽ったさに堪らなくなった男は、再びツクシをひょいと胸の上に抱き上げる。


『コラッ///... ツクシっ』

だが言葉とは裏腹に...
そのままうっとりと自分を愛しげに見つめる男の澄んだ瞳に、ツクシはそのまま吸い込まれそうになりながら...


─あぁ... 好き//......
なんて、幸せなんだろう...///


至福がツクシを包んだ、その時


~もうそろそろ、良い頃合いですかしらね…~


部屋の何処かでニヤリと妖しく微笑む、懐かしいサクラーコの声を聞いた気がして...


*


ポンッ!!


「...え」『...えっ?』


美しい男の顔は、みるみる驚きの表情に変わる...


『何?...急にどうかし... あ///!!』

─今、あたしの声がっ...///!?


間違いなく、たった今「人間の言葉」を口にした自分に、慌てて自らの顔をペタペタと触りまくるツクシに...


「あんた//...
もしかして、「ツクシ」なの...///??」

目の前の男は僅かに狼狽えて... ただそれでも、現状を確認するために、努めて冷静を装いながら声をかける。


『そう、なんだけど///... あのっあたし///、さっきまでね、猫で///...』

ツクシにも、何が何やらさっぱりわからないが...
触った感触は、明らかに元通りの人の掌に、人の頃の顔立ち...

「じゃ...、ツクシが、人間になったって事...//?」
『えと.../// そ、そうみたい///...??』


目の前の女のくるりと回る漆黒の魅力的な瞳は、
やはりどことなく、飼い猫のツクシを思わせて...

ふわり

思わず大きな掌で艶のある黒髪を撫でれば、


『はうっ///♪...』

それも猫であった時の癖なのか、思わず気持ち良さそうに目を細めるツクシに...

男は一瞬で、心を奪われた。


「ツクシ... わかる?... 俺の名前...」

そういえば、この美しい男の名はまだ知らなかったと...ツクシは首をブンブンと左右に振れば


「そっか... そうだね... 誰も俺の本当の名前を呼ばないものね... 知らないか...」

急に寂しそうに変わる男の憂い顔に
ツクシは何故だか、キュンと切なくて堪らない。


『あの... 誰も... 呼ばないって...//』


─それは一体、どういう事だろう...

胸の高鳴りと共に、恐る恐る口にすれば


「...類」


『えっ//?』

「俺の名前... 「類」って、呼んでみて...」

トクン、と再びツクシの胸が高鳴り、自分を見つめる類の甘い瞳に、まるで導かれるように...


『る... い//?』

そっと呟いてみれば


「クスッ//... そっ、良く出来ました...」

類はそう言って、先程と同じように
ツクシの鼻先に「チュッ」と愛しげなキスを落とした。


『っ////』

だが、先程までとは違い、明らかにみるみる頬を染め照れるツクシに、類は興味深げに訊ねる。


「何?... もしかしてツクシ、照れてるの...?」『だ、だってっ///!!、そ、そりゃ///...』

こんな気持ち、なんと言ったら良いかなどツクシにはわからない。ただ、今の自分はさっきまでの「猫」ではなく、類と同じ「人間」の姿───

これほど間近に類の胸の上で抱き締められ、鼻先と言えどもキスをされるなど、どう繕っても今は恥ずかしい行為に他ならず...

ところが

「...ふうん、そんな格好しといて、よく言うよね//」

少しだけ頬を赤らめて、ツクシから目を反らす類...
言われたツクシも、改めて自分の格好を見てみれば...


『ギャッ////!!うっそ///!!』

黒いレースのセクシーな下着のみを身に纏い、ツクシは当たり前のように、類の胸の上に抱かれている。


『あのっ///! こ、これは///...』

だが、戸惑うツクシが逃げ出さぬよう、類は蒲団ごとそっと抱き寄せて...


「...クスッ、さっきまで、お前からキスしてた癖に?」

類の瞳は不意に妖しく輝き...
それはまるで、獲物を狙う高貴な白猫のよう───

熱く見つめられれば、たちまちツクシの肌もゾクリと粟立ち...


「ねぇ... それじゃあさ、「人間」のキス... 教えてあげる...」

そっとツクシの髪に触れるその大きな掌は、先程と何も変わらないのに...

身体を覆う猫特有の体毛が無いからなのか...
ツクシの肌は、類に触れられたところから熱く上気していく...

やがてペロリと... 類の舌先が、ツクシの唇を舐めた。

驚いて思わずピクリと縮こまらせた身体に


「...嫌だった?」『ううん///...だって』


類、だもの......

続く言葉は熱く柔らかい口付けに封じられ、その巧みで蕩けるような快感に、ツクシはふるふると身を震わせるだけ…。


「...ツクシ... 可愛い...」

キスの合間に囁かれる類からの甘い言葉に、ツクシの脳内にはより甘く、痺れる感覚が広がってゆく...


─気持ちいい... もっと......


次第に深くなるくちづけに、ツクシはもう何も考えられずに...互いの舌先を絡ませながら、もっと触れたいと伸ばした指先は、冷たい類の素肌...

『ひゃっ///...
も、もしかして類...裸なのっ///』

「何?... 今更...?」

クスリと涼しげに微笑む男は、寝ているときはいつも何も纏わないのだと、事も無げにサラリと告げる。

「クスッ、いつも一緒に寝てるじゃん...」
『そりゃっ///...そ、だけどっ///...』


確かに...

ツクシが「黒猫」であった時、毎晩類のベッドに潜り込み、その滑らかな素肌に頬を寄せるのが大好きだった... 気がする。


「ほら、此処においでよ...」

そう言って、躊躇なく蒲団をハラリと捲った先に垣間見た類の美しい裸体に、ツクシは思わず目を游がせた。

「クスクス、だから照れること無いのに...」
『だ、だって///...』
「寧ろ俺の方が、ずっとドキドキしてる...」

瞬間
ツクシの内に沸き起こる、熱く切ない想いの塊...


─あたし...//
ずっと... この人の側に居たい......



「...おいで」『...うん...// 類...』

導かれる儘に、ツクシはスルリと類の脇に入り込む。暖かい人肌は心地好く、懐かしい香りに、とても癒される気がして...

ツクシは自ら類の素肌に頬を擦り寄せれば...
類もそっと、ツクシの肩を抱く...


─きっとこのまま... あたしは.........///




ドンドンドンドンッ!!


『えっ、何?』

突然、甘い空気を撃ち破るようなノックの音に


「ツクシ... ごめん、こんな時に...」

『…類?』


─「ヨハンさん!!大家じゃよ...居るんじゃろ?ちょっとここを開けてくれんかね」

外から呼び掛ける年寄りの声に、ツクシは類を仰ぎ見れば、類もツクシを見つめたまま静かに人差し指を口に当てている。

─何...? ...静かにしろ、って...事だよね...//?

そんな所作の1つでさえ美しく感じるのは、既に彼の魅力に捕らわれているからだろうか...


─ ...ヨハンって、類の事?
─ん... 俺の偽名...
─え...// 「偽名」って......


─「"黒猫を飼ってる"と住民から通報があったんだがね... ちょっと確認させて貰えんかのう」
─「(おいお前っ!余計なことを言うんじゃないっ...)」


違う... 嘘をついている...//!?

猫だった頃の名残だろうか

扉の向こう側、大家と名乗る老人の他に、数名の男の不穏な気配を感じて、ツクシは警戒心を募らせた。

だが

「...大丈夫、丸腰で行けば先ず撃たれることは無いから... お前はここから、出ては駄目だよ...」

「えっ//!...何?丸腰??撃たれるって//...」


既に訳知り顔の類は、不安に揺れるツクシの黒髪を優しくひと撫でして

「ほら... お前の綺麗な身体を、誰にも見せたくはないしね?」
『...っ、バカっ、こんな時に///...』

しかしその瞳に捕らわれれば...ツクシはもう、類の言葉に従うしか術はなく...

「大丈夫だから... ここで大人しくして、待っていて...」
『... 類... わ、わかった//...」

まるで小さな黒猫のように...
ツクシはクルリとベッドの中に丸まり、類の言いつけを守ることを選んだ。


「ん... 良い子だ」

蒲団から大きな黒目だけを覗かせるツクシの頭に、
類はもう一度静かにキスを落とし...手近にあるバスローブをサッと羽織ると、ドアに向かい歩き出す。

その背中をじっと見つめながら、ツクシは未だ警戒を解く事なく、改めてこの部屋をグルリと見渡すと...極度にシンプルで無機質。生活感の無さが伺われる。


─類は... 何をしてたんだっけ...

たくさんの時間を類と共有した気はするが、彼が一体何を生業としていたのか...
ツクシは何も知らなかった。

やがて、類によりカチャリと内側からドアが開けられるや否や

「ヨハン・リーヴェルトだな...? 」
『...そうだけど... 何?』

大家と名乗る老人を押し退けて、スーツの男達が前に出る。

「FBIだ、部屋の中を見せてもらおうか」
『...何?いきなり... ていうか、情事の最中に押し入るとか、無粋にも程があるんだけど...?』

バスローブ姿の類は両手を挙げ、やれやれとおどけて肩を竦めると、部屋を覗き込んだ男達はベッドから顔を覗かせるツクシに気付き、一瞬ギョッとした。


『まさか、ベッドの中の彼女の裸まで調べるつもり?』
「...いや///... オホン///、兎に角部屋を見せてもらうぞ」

『どうぞ? ...ご自由に』

3人の男達がツクシを意識しつつ、部屋に足を踏み入れ、類が扉をカチャリと閉めた、

瞬間だった。


プシュン!プシュン!プシュン!!


「うっ!貴様っ...」「...っ!」「くっ!!...」


─へっ//...うっそ//!?


全てが一瞬だった。

男達の背後から類が突然襲いかかり、あっという間に3人がバタバタと床に倒れる。

呆気にとられるツクシに、類は笑顔で

「大丈夫、ちょっと寝て貰っただけだから」

いつの間にローブのポケットから取り出したのか、ペン型の注射器を手に持つ類は

「これの効き目は約30分だからね... 残念だけど、早く次の場所に移らないと...」

サラリとそう言ってツクシに見せる笑顔は、やはり極上の、天使の微笑み...

ツクシはそのギャップにごくりと唾を飲み込みながら、彼の正体について想いを巡らせてみる...



この世界の彼は、ある諜報機関のスパイだった。

「ヨハン・リーヴェルト」とは、勿論仮の名前の一つで...他にも数多くの偽名を使いこなし、決してひとところには留まらず、任務のため世界各国を転々として暮らしている。

コードネームは『ブラック・キャット』。

裏世界ではその名を知らぬ者はいないというほど凄腕のスパイだが、その実態は誰も知らない。
なんでも絶世の美青年だとか、黒猫を飼っているとか...しかしその正体は未だに謎で、噂だけが常に独り歩きをしていた...


だがツクシは、そんな彼の事情は何も知らない。


『...あのっ//... 類って、一体...///』

「…嫌いになった? ...やっぱり、そうだよね...」


類はそれ以上、ツクシに何も言わない。
もし「嫌だ」と拒絶されれば、彼女を諦める覚悟はとうに出来ていた。

自分は所詮、生涯孤独な運命────

物心ついた時から孤児院で育ち親の顔すらも知らない類は、その容姿と優れた頭脳を見出だされ、組織に拾われた恩義を、ただ返しているに過ぎない。

心はいつも空っぽで、誰にも心を許すことなく
いつか独りきりで、見知らぬ土地で朽ちてゆく...

それが最も自分らしいと思っていた。


だが、ある雨の日

自分と同じ様に路頭に迷っていた、頼りない黒猫を...
拾ってみようと思ったのは、ほんの気紛れだったのかもしれない。

それでも、「ツクシ」と名付けたその小さな黒猫は妙に類になついて、その存在は、乾いた暗闇を這いずるような人生の中で、類にとって、たった一滴の「癒し」だった...

その猫が今日、どうしたことか、可愛らしい女性の姿へと変化したのには、流石の類も驚いたが...


─もう充分...
「彼女」を巻き込む事はない......



だが


『あたしも///、連れてって///!!』

「えっ?」

『あんたがどんな奴でも///... あたしはずっと、あんたの側に居たい///』

「...ツクシ...」

『だってさ///...あんたはあたしの飼い主だし、それに... 「類」って名前は、本当の名前でしょう///?』


「...あぁ」

どうして「彼女」だけには、自分を捨てた親が唯一残した本当の名前を教えたのか、それは類自身にもわからない。

でも...


「わかった... 来たければ、一緒にくれば?」

ついてきて欲しいとは、言えない。

それでも

『フフッ//…嫌がられても、追いかけて付いてってやるわよ//』

「彼女」がいれば...
自分は少しだけ、生きる理由が出来た気がする...


「...仕方無いね//... 俺の服の中から、今着られそうなのを探すから...」

不意に生まれた初めての「希望」に、
この時類は珍しく、油断していたのかもしれない...


カチャリ、

聴力が研ぎ澄まされたツクシの耳には、確かにその音が聞こえた。


類の背後の小さな動き...

倒れた筈の男が、伏せたままヨロヨロと何かを構える...


─ダメ...// 危ないっ!!

その身のこなしは、まるで本物の猫のように...
素早くツクシが類の背後に飛び出すのと同時に、短く響く一発の銃声...


シュパン!!


「...えっ」

驚き振り向いた類が、倒れ込むツクシの身体をしかと抱き込む。

「...おい... ツクシ... ツクシッ///!!」


背中が焼けるように熱い...

それでも、類を無事護れた達成感...
そして彼の腕の中で今、愛しい彼の声が、懸命に自分の名を呼ぶ、その喜びを感じながら...



『ねぇ... 類...? 』


愛しい彼の名を呼び、多幸感に満たされて...

ツクシはまた
深く深く、堕ちてゆく─────

















↓オマケ↓がありますのでこちらもどうぞ

Comments - 8

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ないない  
No title

凪子様 こんばんは

懐かしい名前を見つけてついついコメントです。
ヨハン・リーヴェルト…。
昔ゾクゾクしながら読んだ作品でした。

類に飼われるなんてドキドキですね。
愛情を注がれるにゃんこが羨ましい…。
一緒に逃避行‼…とはならなかったようですが、
類を守れたならつくしは本望でしょう。

ありがとうございました。

2017/10/25 (Wed) 21:40 | EDIT | REPLY |   
スリーシスターズ  

こんばんは。

最初はなんて甘美なお話!Rが付いていたっけ?と確認までしました。
最初は黒猫ちゃんだったんですね。
人間として間近で類くんを見ても綺麗って見惚れちゃうのに、猫になって類くんに抱かれて至近距離で顔なんか見てしまったらもうメロメロですよね~💕
類くんもまたツクシを愛しちゃってるから全ての動作や言葉がが甘いです💕

でも何故?サクラーコはタイミングを見計らって猫から人間にしたのでしょう?
類くんが追われているのが分かっていたから助けるため?
う~ん、そこは深く考えなくていいですか?

人間になったツクシと類くんの甘~い時間が続くのかな?と思ったら何だか不穏な空気が・・。
類くん、哀しい生い立ちを背負っていたんですね。
黒猫のツクシと出会ったのも運命だったのかな!?
人間になったツクシは類くんにずっとついていくと言ってくれました。
類くん嬉しかったですよね。
なのになのに・・・!!

類くんを守れたツクシは幸せだったんでしょうね。
ツクシを守れなかった類くんは・・・
考えると哀しくなっちゃいますね。。

凪子さんの深~い類×つく愛をまたまた感じたお話でした♥



2017/10/25 (Wed) 21:54 | EDIT | REPLY |   
凪子  
ないない様🎵

ご訪問&コメント🎵どうもありがとうございます!(*´ω`*)

うふ。
気付いて頂けましたか🎵ヽ(*´▽)ノ♪

私も好きなんですよ~。

─とても美しい青年という印象はあるのに、誰も顔が思い出せない…

彼と出逢った人々の印象が、確かそんな感じでしたよね?

なのでここでは、悲しき類くんのスパイとしての別の顔をイメージし、この名を使わせて頂きました(^^;

気付いて頂けて嬉しいです🎵

そうそうっ!類なら、飼っても飼われてもいいっ🎵(≧▽≦)笑笑
あれ?なんか発言が可笑しいですが(^^;

パラレルは何でもありなので、書いていてとても楽しかったです。
ちょっと切ないですが、ないない様の仰る通り(*´ω`*)
この世界のツクシは、愛する類を守れて本望なのだと思います。

そしてそして、姫は死んでしまうのではなく、また新たな世界へ飛ばされる訳ですから...

ないない様もツクシ姫とご一緒に、いろいろなパラレル世界を、引き続きお楽しみ下さいませ~❤(*´ω`*)

うふ。
どうもありがとうございました🎵m(__)m

2017/10/26 (Thu) 15:57 | EDIT | REPLY |   
凪子  
スリーシスターズ様🎵

連日コメント、どうもありがとうございます🎵m(__)m

そして… あら嬉しい❤
うふ。Rは無いんですけどね…
ドキドキさせちゃいました?(^^;

黒猫ちゃん相手なので、類くんも甘さを少しも隠さず、普段は誰にも見せない顔を惜し気もなく見せてすっかり心を許しております。

で、何故サクラーコが、あのタイミングでツクシの姿を戻したかといいますと。

飛ばしている理由は、姫にとって1番かけがえのない相手を決める為でもあるので、サクラーコは狙ったものと思われます(笑)

ズバリ。奥手なツクシ姫が積極的、かつ、お互い気を許している瞬間…ですかね?(笑)

パラレルでは何でもありなので、ではいっそのことツクシ姫を猫ちゃんにしてしまおう!から始まったこのお話…

ちょっと切ない着地点になっちゃいましたが、類は切ないのも似合っちゃうんですよね(。´Д⊂)

はい(^^;
相変わらず類愛ダダ漏れですみませんm(__)m💦💦
でも、スリーさんにもお付き合い頂けて、とっても嬉しいです(*´ω`*)

ずっと並走していただき心強いです❤

どうもありがとうございました🎵

2017/10/26 (Thu) 16:49 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

凪子様♡
甘せつなくい黒猫と類のお話
ありがとうございました♡

最初に、黒猫(つくし)と類が戯れるシーンに癒され

中盤に、人間となったつくしと類の
これまた甘いシーンにごっくんと生唾を飲み

終盤、まさかの切ないラストに胸をうたれました。

類を守ろうとしたつくしの健気さがじーんとくる
素敵なお話でした。

類に「人間のキス」教えて欲しい

そんなことを思った自分が恥ずかしいです。

・・・・・。

でもやっぱり教えて欲しいです。(笑)

美しい素敵なお話♡
ありがとうございました(*^^*)♡

2017/11/08 (Wed) 14:37 | EDIT | REPLY |   
凪子  
さとぴょん様🎵

コメントありがとうございます❤

爆笑ですw

そうなんですよ。
教えてほしい...
一行の沈黙に、さとぴょんさんの本気を見ました✨笑

ええ。勿論私もですがっ❗(* ̄ー ̄)笑

初めはパラレルだったら猫ちゃんもアリ?で、始まった凪子の妄想が、どんどん転がりだしまして(^^;笑

でもさとぴょんさんに、余すこと無く楽しんで頂き、感無量で御座いますm(__)m✨

切ない類も、甘い類も、孤独な類も、白も黒もみんな好きなの。
どうしましょう?笑笑

うふ。さとぴょんさんのコメントラッシュ、リレーメンバー一同とっても楽しみにしております❤(/▽\)♪

で、いつかお話も書きません??笑
ってマムシの弟子が言ってみる🎵笑笑

うふふ🎵
どうもありがとうございました❤


2017/11/08 (Wed) 21:49 | EDIT | REPLY |   
kachi  

凪子さま
可愛くて切ない類くんのお話をありがとうございます😊

黒猫のツクシちゃんと類くんの戯れが可愛いのに色っぽくて、とても猫と飼い主とは思えませんでした^ ^
一瞬でサクラーコによって人間に変身したツクシちゃんをそのまんま受け入れちゃう類くんが最高ですね!

ほのぼのしていたらまさかのスパイ!
このツクシ姫がツクシちゃんからいなくなったらどうなるのか気になるラストでした。

2017/11/10 (Fri) 22:39 | EDIT | REPLY |   
凪子  
kachi様🎵

コメントありがとうございます❤

こちらにも嬉しいですっ♪♪

パラレルは本当に自由で(^^;笑
いっそのこと、つくしちゃんを猫にしてしまえ!!…から始まりました、このお話。

わーい🎵色っぽい&まさかの!と驚いて頂き、またまた嬉しいです♪(*^^*)

司が陽なら、類は陰??
どうしても、切ないのも似合ってしまうんですよ❤(/▽\)♪

なのでまさかのこんな終わり方!?
ですが、飛んでいろんな世界で…
類もつくしもみ~んな幸せになれるのが、パラレルの楽しさです🎵笑

類ラストは既にあの方にお任せしてあったので❤実は切なくとも、安心して『飛ばす』事が出来ました(^^;笑

つくしが居なくなった後の類まで気にして頂き、ありがとうございますm(__)m♪

そしてkachi様🎵
たくさんのコメントを頂き、感謝感激です❤(*´ω`*)

コメを書くのも、貴重なお時間を頂いてますよね(。´Д⊂)
でも頂ける一言に、どれだけ励まされ、ワクワクすることか🎵🎵
うふ。

たくさんたくさん、
どうもありがとうございました❤

2017/11/10 (Fri) 23:38 | EDIT | REPLY |   
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