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つくしの周辺の雲行きが怪しい。
そう感じた時から総二郎は事を起こしていた。
西門の中でも優秀なSPを選び、つくしや周囲の人間に気づかれないようにローテーションを組んで配置させた。

何も起こらなければいい。

けれどもそんな時こそ総二郎の勘は当たってしまう。
総二郎の願い虚しく、事は起きてしまった。


武装した複数の襲撃者に敵う訳もなく、SPの織田と橘は外からその様子を見つめていた。
中にはつくしと類と宮内の3人。
普通に考えればすぐにでも助けが必要だが、宮内が一緒にいるなら任せていいという総二郎の指示のもと動けずに、その場で成り行きを見守りその後の指示に備えていた。





SPを配置していたお陰で、総二郎は類やあきらから連絡が入る前に『まき乃』襲撃を知り得る事が出来た。
襲撃を未然に防ぐことが出来なかったのが悔やまれるが、それ相応のモノを得ることが出来る。総二郎はそう確信し次の手を考えた。

つくしには類が付いていて、その向かう先は美作邸。美作に匿われればつくしの安全は保証される。
たとえどんな状況になってもあきらはつくしを守るだろう。
ならば今、総二郎にしか出来ないことをしなければいけない。

つくしの無事をその目で確かめたい。
それが総二郎の素直な気持ちだ。

が…。

つくしの元に駆けつけようにも手ぶらで出向いては取り次いでももらえない。そう考えていた総二郎は次の手の連絡も済ませ、そして自らは幼馴染みの元へと赴いた。





道明寺ホールディングス日本支社ビル。

総二郎から連絡をもらった司はイライラしながら人払いした応接室で待っていた。

イライラも頂点に達した頃、室内にノック音が響き渡る。総二郎から大事な話と言われていた司は、チェックも案内もなしでこの応接室に通すよう受付に伝えていた。

「司、入るぞ。」

総二郎は返事も待たずに扉を開けると、鍵を確認し後ろ手でかちゃりと締める。

「おいおい、一体何の話だ?」

「まき乃が襲撃された。」

総二郎は静かにそう言いながら司の前のソファーに腰を下ろす。一方の司は驚いたのか息を呑み、総二郎を睨み付ける。

「どういうことだっ?!
牧野は無事なのか?
てめぇこの大事なときに何してやがるっ!!」

「だから来たんだろ。いいから落ち着け。
つくしちゃんは…つくしちゃんには類が付いてる。地下通路を抜けて今頃はあきらの屋敷に着いてるはずだ。あそこは要塞みたいなもんだし、あきらもいる。
俺たちは今出来ることをやろうぜ。」

睨まれても尚も動じずに話す総二郎に、司は仕方なくソファーに腰を下ろした。

「随分と余裕じゃねーか。何かあるんだろうな?」

「当然。」

総二郎はニヤリと笑い司を見る。その余裕気な表情を見て司は落ち着きを取り戻したかのようにソファーに体を預けた。

「で、どうなってんだ?」

「今襲撃犯をうちのSPが追跡してる。そろそろ連絡があってもよさそうなもんなんだけどな。」

「ったく、なんでお前んとこのSPが尾行してんだよ?!逃げられたんじゃねぇだろうな?」

「西門のSPはそんなに抜けちゃいねぇよ。
で、問題はその後どうするか、だろ。
俺は他にも調べたい事が残ってるし、」
♪♪♪~♪♪♪~

「もしもし…。」

会話を途中で切り総二郎は淡々とその相手と話し出す。聞いていて相手がSPだと分かると司も耳を澄ますがさっぱり聞こえずに、電話が終わるのを待っていた。
しばらく待つと総二郎は電話を切り、卓上に置いてあったペンとメモ用紙に手を伸ばし何かを書き記していく。
電話は終わっているのだから話をした方が早い。けれども司はじっと総二郎を待っていた。

「これが黒幕か…。」

そう言って総二郎が差し出す紙に目を通す。
司は思わず総二郎を見返した。

「どうする?」

「任せるよ。こういうのはお前か類だろ?
もう少し調べたいこともあるし、今は動きを止めるくらいにしときゃいいんじゃね?
それに…赤札の件もある。つくしちゃんびびらせたくねぇだろ?」

司は複雑そうな表情で総二郎を見る。
制裁を加えなければ気がすまない。けれど赤札問題は記憶に新しく、その効果は絶大だった。

「何か分かったらすぐに教えろ。ただし動き出したら容赦しねぇぞ。」

「くっ、いいんじゃね。ここは任せた。じゃあ行くな。」

幼馴染みの阿吽の呼吸とばかりに頷き合うと、総二郎は部屋を後にし、司は電話に手を伸ばす。





道明寺を出た総二郎は途中で情報屋と落ち合い報告書を受け取ると、目的の場所に足を向ける。

総二郎は手元の茶封筒に視線を落とす。
これから行く場所に似つかわしくないそれに苦笑が漏れた。


「西門サーン、やっと来てくれたのね!待ちくたびれちゃったよ~。」

「莉愛ちゃん、ゴメンゴメン。いろいろあってさ。」

「そんなこと言って~!莉愛何でも知ってるんだからね!!」

「くくっ、莉愛ちゃんには敵わないな。
でもそれって何かあるってことだよね、莉愛ちゃん?」

得意の流し目を送られた莉愛は満足気に微笑む。

「何でも好きなボトル入れていいよ。」

「だから西門さんってだ~い好き!!」

総二郎の腕に自分のそれを絡めて莉愛は総二郎を席に案内する。

莉愛は銀座の高級クラブのホステスでもあり、情報屋でもある。
その見た目は幼く見えるが、頭も切れ勘も鋭く、情報屋としての能力も高い。
何より甘えるのは上手いが一線を画しているところも贔屓にしている理由のひとつだった。

「どう?」

僅かばかりに隔離された席に着きドリンクを用意する莉愛に総二郎は言葉少なく問いかける。普通の女性ならば不満気な表情を見せるが、莉愛はそんな素振りも見せずに笑顔で淡々と話し出し、最後に総二郎に封筒を押し付けた。





莉愛と別れ総二郎は一旦屋敷に戻ると報告書だけを持ち、再び車に乗り込んだ。

静かな車内には時折紙の擦れる音がしている。暫くするとその音はスマホを操作する音に変わっていた。


「総二郎様、到着致しました。」

そう言うと運転手は車を降りて総二郎側に周り、ドアを開けて恭しくお辞儀をする。
運転手に礼を告げ、総二郎は時計を確認する。
途中であきらに連絡を入れている。すぐに来るだろうと思いながら、決して要塞には見えない美作邸を眺めていた。

ここに自分の惚れた女がいる。
そう思えば自然と頬は緩んでいた。


「総二郎、待たせたな。」

「いや、ちょうど着いたところだ。」

二人の間に沈黙が流れる。
逸る心を抑えながら総二郎は口を開いた。

「おいおい、情報だけもらって門前払いする気かよ?
もうつくしちゃんは大丈夫だ。司が抑えてる。」

総二郎は報告書の入った茶封筒をあきらに見せつける。

「つくしちゃんと交換だ。」

総二郎をじっと見ていたあきらだが、総二郎から条件を譲る気配を感じない。仕方なく頷き踵を返した。

「東屋で待ってろ。」

その言葉に総二郎もまた踵を返し東屋へと向かった。


暫くエントランスで待っていると足音が近づいてくる。
辺りは灯りがほとんどなく薄暗い。けれどもうっすらとその姿を確認できた。

「つくしちゃん、大丈夫?」

思わずつくしに駆け寄った総二郎の第一声はそんなありふれたものだった。

「とりあえず中に入ろうぜ?」


部屋に入るとそこには夢子の趣味に合わせた内装が広がっている。総二郎は慣れたものだがつくしはふと「ここもこんな風になってたんだ…」と小さく呟いた。

「総二郎、これでいいだろ?」

「あぁ。」

あきらに封筒を渡した総二郎はあっちに行けと云わんばかりに視線であきらを促す。

「くくっ。分かってるよ。1時間な。」

肩を揺らし出ていこうとするあきらに腹が立たない訳ではないが、今はつくしとの時間を無駄にしたくないと歩み寄った。

「怖かっただろ?大丈夫?…ってことはないか…。」

言いながらつくしをソファーに座らせるとその隣に腰を下ろす。
総二郎はつくしの顔をもっとちゃんと見たくて前屈みになり、つくしの顔を覗きこんだ…が…。

「えっ、あっ…はい……もう…。」

そう答えたつくしは視線をそらし、そっぽを向く。そのぎこちない動きから総二郎は何かを感じとった。

「つくしちゃん?何かあった?」

「な、何もないですよ。気のせいです…。」

相変わらず視線を合わせようとしないつくしに総二郎は微笑みかける。

「つくしちゃんって分かりやすいよね。何があった?
あっ…もしかして帰り際にキスしたこと怒ってる?」

「ちっ違います!!そうじゃなくって…。」

「そうじゃなくって、何?」

「からかってるんですよね、西門さん…。」

完全に総二郎の罠にかかったつくしは、そうとも知らずに呟いた。
しかし総二郎にはつくしの言っている意味がさっぱり分からなかった。
ただちらっと見えたつくしが泣きそうな顔をしていて、それが自分のせいだと考えただけで胸が痛くなっていた。

「……尾瀬さんが…。」

その言葉に総二郎は長く息を吐き出した。
総二郎は急かすことなく、つくしの話を聞く。つくしは時々黙りこんだり、言葉を選びながら言葉を紡いでいく。

話を聞きながら総二郎はひどく過去を悔いていた。
過去の素行の悪さが今になってこんな形で返ってくるとは思ってもいなかった。
つくしから全てを聞き出した総二郎はゆっくりと口を開く。

「俺は甲斐の話は言い訳もしないし、否定もしないよ。それも事実だから。
でもね、つくしちゃん。
俺、キミのことからかってるように見えたかな?精一杯もてなしたつもりだよ。
それを信じてもらえないのは…自分が悪いとはいえ…寂しいものだね…。」

つくしを真っ直ぐに見つめながら総二郎は素直な気持ちを告げていた。それは飾り気のない素の西門総二郎そのものだった。

つくしが何かを紡ごうとしたその時、扉が開きつくしの思いは総二郎に届くことはなかった。




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Comments - 8

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スリーシスターズ  

こんばんは。

総二郎くんの悪い予感は当たってしまいました。
何事も起こらなければいいと願っていたけど・・
悪い予感ほど当たってしまうんですよね。

それでも襲撃の後の総二郎くんの行動は冷静に分析・判断して、的確でした。
総二郎くんが付けていたSPによって黒幕判明。
司くんに報告もしたし、黒幕は司くんに任せたけど、それ以外に何を調べているんでしょう?
そしてその情報を今度はあきらくんに。
黒幕も総二郎くんの情報も気になりますね。

総二郎くんつくしちゃんに会えました。
真剣に想いを伝えたから、つくしちゃんちゃんと受け取ってくれましたよね。
キビキビ動く総二郎くん、かっこ良かったです。

2017/10/19 (Thu) 19:16 | EDIT | REPLY |   
Gipskräuter  
スリーシスターズサマ

またまたコメントありがとうございます♪

実は陰謀は苦手中の苦手(>_<)
まさかこんな展開で回ってこようとは……です(笑)
頭を捻った結果こうなりましたが、かっこいいと言ってもらえてよかったです。ホッ。
情報は全てあきらくんにいきました。
裏のあきらくんにも期待大ですね♪♪

総ちゃん、やっとつくしちゃんに会うことが出来ましたが…邪魔されちゃいました(爆)
うぅっ、残念…(´;ω;`)

総ちゃんの掴んだ情報&F4の反撃??
続きもお楽しみくださいませ~♪♪

2017/10/19 (Thu) 20:02 | EDIT | REPLY |   
kachi  

Gipskräuterさま
おはようございます(o^^o)
お話の更新ありがとうございます😊

総ちゃんは、何かを感じ取り事前につくしにSPを付けてたんですね!
すぐにでもつくしの元に駆け付けたい気持ちを抑えやるべき事をやる総ちゃん素敵ですね!
総ちゃんが類くんやあきらくんを信頼していることも伝わって来ました。
つくしちゃんとの色恋話も楽しいけど、4Fの男の友情って憧れます♪

司は赤札という過去、総ちゃんは女という過去。
消し去りたい過去はあっても、今の総ちゃんをつくしは見てくれたようで良かったです♪
つくしが何を言いかけていたのか気になります。

2017/10/20 (Fri) 07:21 | EDIT | REPLY |   
Gipskräuter  
kachiサマ

コメントありがとうございます♪
お返事遅くなりましてすみません(´・д-人)

本当はすぐにでも行きたかったんですけどね、手ぶらではとてもとても(笑)
ということで、いろいろと?頑張ってもらっちゃいました♪♪
やっぱりF4はこんな関係が素敵ですよね(〃▽〃)

そうなんですー!
Gipも気になります(笑)
うぅっ、残念…(´;ω;`)

本編もチームリレーもまだまだ続きます♪
最後までお楽しみくださいませ~v(・∀・*)

2017/10/20 (Fri) 19:12 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

Gip様♡
総ちゃん裏で活躍の巻のお話
ありがとうございました(*^^*)♡

SPつけて黒幕を突き止めた総二郎、
お手柄でしたね。
自分の役割を冷静に判断し行動に移す総二郎
華麗なるチームプレーに感動しますね。

つくしに会いに行くための土産
顔の広い総二郎だからできる情報収集も流石でした。

東屋でつくしの変化に気付く総二郎。
事実を認めながらも、時間切れで伝わらなかったことが
非常に悔しい!(≧◇≦)
「尾瀬めーーーーーっ!!」
正直ワタクシ・・・
犯人よりもあやつ(尾瀬)を縛り上げたい気分です。

神よ・・・
時間を、時間を総二郎にあたえたまえーーーーっm(__)m
Gip様
なんとかならんやろか?(笑)

続き楽しみにしてます♡(*^^*)

2017/10/23 (Mon) 03:03 | EDIT | REPLY |   
Gipskräuter  
さとぴょんサマ

コメントありがとです♪

再び総ちゃん登場までが長かったです…(笑)
そしてまさかの陰謀に呆然…。
頭を捻った結果、情報担当になりました~!
F4それぞれの役割をいかせていたなら大満足です(σ*´∀`)

時間切れ…同じく悔しいです(TДT)
つくしちゃん…気になりますよね…。
なんとかなるのか、ならないのか………神のみぞ知る?!

最後までお付き合いくださいませ~♪♪

2017/10/23 (Mon) 19:10 | EDIT | REPLY |   
ノエノエ  

Gip様

こんばんは。
ご無沙汰しております。
コメントが大変遅くなり申し訳ありませんでした。

F4はそれぞれが独自に行動していても阿吽の呼吸でそれぞれが出来ることをし、それをお互いが理解しているんですね(≧∇≦)つくしちゃんとの会話も好きですが、男同士のこの雰囲気も大好きです!F4ならではですね(*^_^*)
つくしちゃんの様子を見る為に前屈みになって顔を覗くシーンにドキドキです♡つくしちゃんは総二郎くんの女性問題で心を痛めて目を合わせられないようですが、世の女性は全てそんな仕草をされて冷静に目を合わせられる訳ない!(笑)
つくしちゃんが総二郎くんの女性問題に心を痛めていることを伝えたところで時間切れ…でも、総二郎くんの「寂しいものだね…」はきっと胸に響きましたよね。

総二郎くんの機転で黒幕も分かった様子…益々ハラハラドキドキの展開!
続きも楽しみにしています(*^^*)

2017/11/09 (Thu) 00:25 | EDIT | REPLY |   
Gipskräuter  
ノエノエサマ

おはようございます。
ご無沙汰しております(*`・ω・)ゞ
コメントありがとうございます♪

衝撃の展開に撃沈でした…(笑)
さてこの流れをどうしよう…??
悩んだ結果、力業?で情報収集に走り、黒幕は丸投げです(*´艸`*)

つくしちゃんを取りあってますが、そこはF4。
それぞれの事はちゃーんと分かってます(〃ω〃)
羨ましい関係ですよね♪

総ちゃん、頑張りましたが挽回出来ず…残念(笑)
つくしちゃんは手強いです(*´艸`*)

この後も怒涛?の展開が続きます!
是非是非最後までお楽しみくださいませ~♪♪

2017/11/09 (Thu) 07:55 | EDIT | REPLY |   
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